2023年09月07日

≪アィンダーヴァッヴァロイ!ベトナム教育里親の会≫

【有終の美を(誌面に)飾る】
 7月24日上毛新聞に掲載された記事で既に多くの方々もご存じかと思われますが、就学が困難なベトナムの子どもたちを経済的に支援してきた群馬県高崎市のボランティア団体「ベトナム教育里親の会」が、29年の活動に幕を下ろしました。
 ベトナムの経済成長に伴って支援の必要性が薄れたことや、会員の高齢化で支援を続けるのが難しくなったこと等が理由ですが、これまで1000人以上に計約3500万円を届けてきました。
≪アィンダーヴァッヴァロイ!ベトナム教育里親の会≫

【誕生のきっかけ】
「ベトナム里親の会」が発足したのは1994年。高崎市で手広く商売をされていた小山勝三さんが物産の仕入れでベトナムを訪れた際の話です。
戦争による枯葉剤の影響で戦後生まれながら手足の不自由な両親の子供たちは、経済的にも困窮を極めた一家の為に朝から働きます。学校に行く余裕はなく、家族の中で文字を書ける者が誰もいない、といった状況だったそうです。
当時の現地の様子を目のあたりにしたことから、子供たちの将来の為に教育でベトナムの未来を変えていこうと、縁があったコジマ電気の創業者と奨学金制度を立ち上げたのが最初でした。

【会の歩み】
最初は250人の里子を援助しましたが単年のみで、その後、日本のバブルも終焉し、援助資金や大口の協力者が続かなくなります。せっかくの素晴らしい会なのだから、人数は少なくても、しっかり初等科の卒業まで継続的に面倒を見る事が大切ではないかとの会の方針が、残ったメンバーで決まっていきます。
活動に声をかけて頂いた父(誠四郎)が会長を拝命し、色々な方の協力を得て徐々に組織だった団体として活動を続けていくようになり、利権などが絡まないように企業等からではなく、個人から1年7,200円を5年間継続的に援助して頂き、毎年新しく50人の新入学生を里子として援助する。と言う援助方法が固まりました。
前年までに援助した里子たちにも初等科を卒業するまで面倒を見るのですから、(直近では、ハノイの教育委員会から物価の上昇を理由に1人当たり年間12,000円の援助が必要になり)大変な金額になります。
そんな皆さんから預かった大切な浄財や里子への手紙を届ける為に渡航費用も全て会の皆さん手弁当、自費でまかなっていました。
ベトナムへの出発時期が迫ると、「〇〇人足りません!」と、新しい里親募集を父が当コラムで呼びかけるのも風物詩になりました。
問い合わせの電話が鳴ると、雨の日でも雪の日でも、原付バイクに飛び乗り説明にかけつけた姿や、帰国後は預かってきた沢山の手紙と、里子に会えた喜び、クタクタに疲れた身体で「心が豊かになれるなぁ」と、晩酌をしながら楽しそうにベトナムの話をする父の姿が思い出されます。
ヴィンさんをはじめ多くの優秀な優しいベトナム人の方に里子からの手紙の翻訳、現地の案内、教育委員会との折衝などをご協力いただいたのも感謝。

【心が豊かになれる】
父は、2011年11月号のコラムに、こんな喜びをつづっていました。
『11日10時に現地の教育委員会より「里子の卒業生に会いますか?」との打診に「是非!」と即答。訪問相手は、タムさん今年23歳の薬剤師。14時には、勤務先の400床の病院を訪問。仕事中に拘らず副院長まで出て歓待頂いた。
「日本の皆様のお陰で小学校を卒業でき、その時に頂いた手紙は私の大事な宝物です」と。その言葉に熱いものを感じ、我々の頬にも涙が。』
物ではなく、人に、教育に対して、援助できたという事、それ自体とても意義がある、活動であったことには間違いありません。
1000人を超えるベトナムの子供を立派に育て上げた会に関わって頂いた皆様に改めて感謝申し上げます。

【大団円】
 8月4日暢神荘にて慰労会が開かれました。佐藤4代目会長をはじめ、活動を支え続けてきた主だった方々が参加。
「ベトナムにお前の妹がいるんだよ」と、この里親の会に親子2代に渡り参加していた方が子供の時に聞いて驚いてしまったエピソードに皆大笑い。その方は、大人になりすぐに援助に参加していたので結婚する前から、ベトナムに子供がいた事になりますね。笑
 懐かしく、楽しかった、苦労したエピソード等が尽きることなく語られ、大盛り上がりのまま閉会。会の残った金額はすべてベトナム育英会に寄付。ここまで綺麗に手じまい出来た団体を最後まで支えてくださった皆様に、ベトナム教育里親の会に、アィンダーヴァッヴァロイ!(ベトナム語で「お疲れ様でした」の意味)
≪アィンダーヴァッヴァロイ!ベトナム教育里親の会≫


9月1日 広田 金次郎


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Posted by 広田 金次郎 at 09:35 │リードプランニング

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