2022年08月05日

≪恩送りする人生を≫

【大きな喪失感】
 7月8日午前11時半頃、奈良市の大和西大寺付で元内閣総理大臣で衆議院議員の安倍晋三が銃撃を受け死去しました。この知らせを受け、まさかと信じられず次に大きな喪失感を感じました。
 日本は安全で暗殺など起こることは無い、それを誇りにも感じていたところがありました。勿論、これからも変わらずの日常生活を送ることができますが、今回の凶弾で時代が変わったことが顕在化されました。まさか、という事が起きてしまう恐ろしい時代、悲しくやるせない限りです。

【投票をして、政治に関心を】
 事件背景も複雑に絡み、宗教団体の名が出て、その票欲しさにその団体と政治家が深く関係がある事など炙り出されたりと、未だ全貌は解明されてはいません。
 私たちは今回の大きな損失を嘆くだけでなく宗派や支持政党のちがいはあるにせよ、より自分たちの国の未来に、政治に危機感を覚え、政治に関心をもって厳しい視線と熱い期待を注ぎ、投票権の行使に繋げていきましょう。

【柔道は人生の一部】
 何度かこのコラムでも書かせていただきましたが、私は中高大学と柔道部で汗を流していましたが、大学を卒業してから仕事を言い訳に道場への足は遠のいてしまいました。
 それでもオリンピック等の大きな大会でのテレビ観戦やスポーツニュース、新聞記事などで母校の試合結果をチェックしていました。そんな中、最近年齢的にもそろそろ先輩たちから受けた恩を、次の世代に繋げていかなくてはなぁと思う出来事が増えてきました。
 
【高崎高校翠巒体育会】
過日6月23日。柔道部の志田先輩に声をかけて頂きOB会に初参加。志田先輩と初めてじっくりお話しする機会を頂き、色々な先輩たちの武勇伝や当時の柔道部の様子を聞けて嬉しかったです。
高々各部活の歴代OBの先輩方にご挨拶する余裕もないほどの盛り上がりの中で、自分が学生時代の頃もこうやって先輩方が部活を盛り上げようと力を合わせて頂いていたのだ、と肌で感じる事が出来ました。
 
【赤帯】
 「柔道の有段者」というと黒帯を想像するでしょうが、実は初段から五段までは黒帯、六段から八段までは赤と白の縦縞の帯。そして最高峰の九段、十段は赤帯となります。
大学時代の恩師小野澤弘史先生が先日講道館柔道で9段に昇段されました。これがどれだけすごい事かと言うと、現在、国内で九段はわずか25人(うち女性は1人)。講道館140年の歴史を振り返っても門下生230万人のうち九段に到達したのは230人ほど。実に1万人に1人という希少な存在です。

【小野澤先生9段昇段を祝う会】
 というわけで、久しぶりに大学柔道部の会に参加。
 コロナ禍でのパーティーでしたので、お茶で乾杯は酒豪揃いの参加者には少し物足りなかったかもしれませんが、会は盛況のうちにお開きになりました。
 部活動での他に、小野澤先生の授業で2年間助手のアルバイトをしました。授業が終わると、必ずチーズメンチカツ弁当をごちそうになり、その後に先生が国際大会などで披露する形(かた)を一緒に稽古しました。
当時は、弁当一つで稽古に付き合うのは割に合わないなと言う思いと、形の順番や技を覚える事で精一杯でしたが、なんであの時もっと先生に色々質問しなかったのだろう、と今になって考えるととても贅沢な時間を経験をさせて頂いていました。
 小野澤先生から会でかけて頂いた言葉は、「広田、運動しろよ、いつまで経っても運動大事だぞ」ハイ、精進します!


【先輩たちの背中】
 早稲田大学でもそうですが、高崎高校柔道部OBにも、70年続く全国有数の歴史ある櫻井道場の桜井先生(群馬県の柔道整復師会の重鎮)、群馬県の柔道連盟会長である鳥居吉二先生、その他多くの先生・先輩とお話しさせていただく機会があります。柔道を通して形成されるその人格、人柄にいつまで経っても足元にも及びませんが、とにかく偉大な先輩・先生たちとのご縁を頂き、指導を受けてきた人間として恥ずかしい生き方はできません。私自身柔道はそれほどの実力も実績もありませんが、生き方として柔道と言う大道を外れることなく過ごす事を決意し、後輩たちにもこの恩を送りたいと思います。

7月24日 広田 金次郎
  


Posted by 広田 金次郎 at 09:19リードプランニング